スコープゲート概論

その1
スコープゲートとは、本来ポンプ及びポンプ吸水口にごみがつまらないような目的で取り付けるアイテムなのだが、それはあまりにも形状抵抗が大きすぎ(水中での抵抗は、空気中の抵抗の何百倍もある。またの機会に詳しく述べます。)、その抵抗を減らすために、抵抗の少ない2本グレードのゲートが十数年前に開発された。

それから、ストレート時の抵抗が多くても、積極的にポンプ内へ水を導くための翼形状のゲートが登場し、多くのメーカーから現在市販されています。

翼形状は、空気中(圧縮流体)では、上下異なる弧の形状により流体の流速が違い、抗力を発生させ、飛行機などはこの理屈で揚力を発生させ、浮力を与える。フォーミュラカーなどでは上下逆に付けダンフォースを発生させます。

しかし水中(非圧縮流体)では、流速の変化があっても、上下異なる弧の形状の集合平均中心点での回転運動しか発生せず、ほとんどがランプ曲線(ポンプ吸水口上曲面)とのチョーキングにより形状抵抗が多くなるのである。

ほとんどのフィン付きゲートが翼形状をしており、一般の人はこれがすばらしく良いと思われるが、何回も言うようであるが、非圧縮流体の中ではすごい抵抗なのである。

理想的なフィン付きゲートとは、出来るだけ直線形状をしており(前面投影面積少)、翼ではなく、導水板とした目的のものが良いと思われる。

フィン付きゲートを選ぶには、フィン無しゲートの一般市販のものは約3km/h以上最高速が低下するが、水かみ性能が上がり、ラップタイムが向上する損益分岐点をマシン及びライディングスタイルもしくはコースコンディションにより模索しなければならない。

しかし、世界のトップメーカーでも日本のメーカーでも、非圧縮流体中におけるランプ曲線とリップ曲線における最大効率の導水板付きゲートは売られていないのは残念である。
その2
導水板の滑走面に対するオフセット量は、レギュレーション上12mm以内となっていますが、あまりロール角をもたないランナバウトクラスと、ロール角をコーナーでもつスポーツ及びスキークラスでは考え方が相違してくるのである。

ランナバウトクラスでは、ロール角があまり発生せず、ヨー角の動きをスムーズにするために、導水板は滑走面と同じかそれ以内に入っているのが普通である。

しかし、ヨー角を発生する後者のクラスは、過度なロール角に対しても、エアードローの発生点を曖昧にするための導水板形状でなくてはならない。
その3リップ曲線(ポンプ吸水口下曲面)において、国内市販メーカー及び海外メーカーも多くの間違いをおこしているのである。

リップ形状は、スクープタイプとフラッシュタイプ及びポッドタイプ(形状抵抗が大きすぎ、現実には使われていない)があり、国内有名メーカーのリップ曲線はすべてのものがランナバウトタイプであり、ロール角をもつクラス(スポーツ、スキー)では性能を発揮しないのが現状である。

リップ曲線は、各クラスにおいて、最もスコープゲート上で重要な項目であるのに、各メーカーがテストもしていないような形状で市販しているのは、我々にとって憤慨である。
まとめ私の理想的なゲートとは、ジェットスキーが直立にある場合、水かみにおける重心点が吸水口の前部であり、ロール角をもつコーナー中であれば重心点がリップ部に移行する角度に対する重心点の移動を、ライダーの荷重移動を増長するものが最良であると思われる。(スポーツ&スキークラスにおいて毎週テストライダーで開発しています。)
おまけ時速80kmで走行するジェットスキーの上にあなたが乗っていると仮定し、その時水中に鉛筆1本あなたが手で差し入れれば、その抵抗というのは驚くばかりの力であろう。

ゲートとは、その鉛筆の何倍もの抵抗を受けているものであって、水上のあなたにはわからないものであるのである。

メーカーが、製造しやすいために、グレードが湾曲しているとか、段つきがおこっているとかいうのは、我々モトイネレーシングからすれば、それは大罪をおかしているのに等しい。

スコープゲートで理論的に効率の良いゲートを発売しているところは皆無である(よく考えているところも実はある)。

遅くとも2002年シーズンには、我々モトイネレーシングが理論的に(非圧縮流体試験機をただ今パラメーター入力中)発売する予定なので、あなた方は今つけているゲートを再考されたほうが良いと思われる。